冷え性改善のヨガ的アプローチ解説

ヨガは冷え性改善に「効く」のか

いよいよ寒さの佳境に入る日本です。

冷え性の改善は、根本から生活を見直すことが必要です。

でも、今ある冷えの辛さをどうにかするには、「根本からの改善」にプラスして「今あったかくなる」というアプローチも必要ですね。

巷で言われている「ヨガは冷え性に良い」、どちらかというと「冷えない体づくり」「根本から改善」寄りです。

即効性は期待しにくい、と言ってもいいでしょう。

ヨガは、「今現在」も含めて、その人の生活の質を高めるためのものだと考えている私。

将来のために、今は頑張れ!というのはちょっと違うかな。

冷え改善ヨガも、ざっくりと二つに分けて捉えています。

・根本から冷えない体づくりをする、ヨガ的アプローチ
・今の冷えをなんとかする、即効性のあるヨガ的アプローチ

二つの柱から、ヨガの冷え性対策について考えて見ます。

1.根本から冷え性を治すヨガアプローチ

一朝一夕ではできません。

継続してヨガを続けることで身につくことです。

時間をかけて、自分のものとしてしまえば逆に「衰えにくい」もの。

基本はこのアプローチを年間通して続けます。

・体の形・配置を整え、血流を良くする
姿勢が崩れると、内臓を圧迫したり、血流を阻害したりします。

姿勢を正すことで、血流を促し、発熱力を高めます。

・呼吸整え、神経・体両面から温まる

呼吸の浅さは、そもそも酸素の取り入れる量が少ない状態です。

酸素が少ないということは、熱が発生しない。

肺を有効に使って、吸い込む酸素の量を増やします。

姿勢が正され、肺の使い方が上達し、呼吸が深まってくると、呼吸の回数が減ります。

体内の酸素と二酸化炭素のバランスを一定に保つためです。

(酸素が多いからあったまる!というのは違います。酸素と二酸化炭素の適正バランスが、健康の鍵です)

呼吸の回数が減ってくる状態というのは、「副交感神経優位」な状態。

「副交感神経優位」は、「リラックスモード」。

緊張がほぐれ、血管も広がり、血流が増します。

体が先端まで温まりやすくなります。

2.即効性のある冷え改善ヨガ

今ある冷えをなんとかする、ヨガのアプローチです。

冷えを呼ぶのは、「風と空間のエネルギー」と「水と土のエネルギー」の過剰によるもの。

適度な炎のエネルギーをプラスすることで、即効性のある温まった体を作れます。

大きな筋肉をきっちり使う形に、ヨガポーズをアレンジする

例えば、ねじりのポーズを例にとりましょう。

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通常ですと、後ろ手は床にしっかりつくか、体に絡めて

背骨を伸ばす・骨盤を立てるための補助

として作用させます。

冷え対策ヨガは、腹筋・背筋を有効使い筋力を高め発熱力を高めるために、手の補助は使いません。

軽く床に触れる程度、あるいはもっとポーズの強度を高めたい方は手を浮かしておくと良いでしょう。

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両足を前後に開いた前屈のポーズ「パールシュヴォッターナ・アーサナ」

体内の筋肉の中で最大である太もも前面の筋肉を強化し、発熱量を効果的に高めます。

同時にふくらはぎの筋力を高め、下に下がった血液・体液を足の先端から体幹まで押しもどす作用を高めます。

息を吸う時も、みぞおちを背骨に押し付ける感覚で、体の奥の腹筋を使いましょう。

この時の手は、床に軽く触れる程度に下ろします。

手で体を支えないように、でも倒れないように軽く下ろしておく。

パールシュヴォッターナアーサナは、本来背中の上で後ろ手で合掌する形なので、足腰の筋力とバランス力に自信があれば、手を浮かせてポーズをするとさらに効果的。

例に挙げた二つのポーズ以外でも、どうすれば筋肉を使えるのか体に聞きながらヨガをアレンジしてみてください。