ヨガで痩せるのか?問題
「ヨガ」でググると、「ヨガ 痩せる」「ヨガ ダイエット」なんてワードがヒットします。
ヨガで痩せたい、ヨガでボディメイクをしたいというニーズが高いようです。
実際ヨガで痩せることは可能でしょうか?
短期的にヨガだけで体重を落とすことはできません。
注意していただきたいのが、「短期的に体重を落とすこと」と言ったこと。
例えば「一ヶ月で3Kg落とす!」「5Kg落とす!」ということは、ヨガではできないということを言っています。
痩せるためには体をどうすればいいのか?
「痩せる」には、「代謝を高める」ことが必要であると一般的に広く知られています。
代謝を良くし、脂肪を素早く燃焼させるためには酸素をたくさん取り入れることが大切です。
「最大酸素摂取量」を、高める身体改造が必要なのです。
「最大酸素摂取量」を高めるためにはなんと「大きな心臓と、それによる強い拍出能力」が必要なのです。
「大きな心臓」になるためには、みなさんもご存知のように定期的な「有酸素運動」を行います。
*Limiting factors for maximum oxygen uptake and determinants of endurance performance
Bassett DR Jr1, Howley ET.Med Sci Sports Exerc. 2000 Jan;32(1):70-84.
ヨガは有酸素運動としては有効ではない
2005年に発表された研究によると、ヨガはウオーキングに比べ1/3の最大酸素摂取予備能力(VO2)の利用率であることがわかりました。
*The metabolic cost of hatha yoga.
Clay CC1, Lloyd LK, Walker JL, Sharp KR, Pankey RB.
J Strength Cond Res. 2005 Aug;19(3):604-10.
現代広く「ダイエットヨガ」「燃焼系ヨガ」と考えられている、太陽の礼拝の繰り返しを代表としたパワー系のヨガは、伝統的な静的ヨガに比べるとVO2の利用率は上がります。
しかし残念ながら体重を落とすための有酸素運動としては、全く足りない運動量であることも研究されています。
でも、ヨガを続けると痩せるし、太らない
がっかりな研究結果が出てしまいましたが、朗報です。
「一ヶ月で」というような短期的なウエイトダウン決戦では、ヨガは効果を現しません。
しかし「一年」「十年」「一生」の単位であるならば、間違いなく「ヨガは痩せます」
ヨガは有酸素運動として評価すると、他のエクササイズに比べ劣ったものです。
ヨガを「自律神経の調整」「ホルモンバランス調整」という面から評価すると、他のエクササイズでは得られないよい効果があるのです。
例えば、呼吸数。
減量には「代謝の向上」が必要だと言いました。
ヨガを行うと、逆に「呼吸数の減少」が起こります。
「代謝」は落ちているのですが、「副交感神経優位」つまりリラックスモードになる。
ついで、抑うつ効果が認められる神経伝達物質GABAが、ヨガを行うと上昇することも確認されています。
*Yoga Asana sessions increase brain GABA levels: a pilot study.
Streeter CC1, Jensen JE, Perlmutter RM, Cabral HJ, Tian H, Terhune DB, Ciraulo DA, Renshaw PF.
J Altern Complement Med. 2007 May;13(4):419-26.
満足度が高く、幸福度の高い状態に、常に居られるようになるということです。
ヨガを続けることで、食欲もちょうどよく調整され、消化力、吸収力も高まります。
太り過ぎの人は、体重が調整されるし、痩せすぎの人も、適度に筋肉が付いてきます。
「誰でもベストな体型」になることができる。
それがヨガの「ダイエット効果」です。
スハマは30年間ほぼ体重が変わらない
15の頃からヨガを本格的に続けている私の体重は、初潮を見た頃からほとんど変わりません。
18くらいの時に、だいぶ太ったことはありましたけれど^^;
特に何もせず、元に戻りました。
また、今も「食べすぎだおーーー」ということはしばしば(おい)ありますが、すぐに調整がつきます。
特に何もしませんが、すっと戻るのです。
いわゆる「スレンダー体型」ではなく、丸みを帯びた女性らしい体型で、一番元気でいられるパワーが出せる体重に落ち着きます。
ヨガの効果は、外的な体のファクターだけでなく、ホルモン・神経、そして心と言った自分ではコントロールしづらいところに働きかけてくれるのです。
だから、一生をかけての「ダイエット」(本当の意味でのね)になるのです。