ママヨガは、ヨガに没頭できないからヨガもどきなのか?
ママのストレス解消のための、単なる息抜きの場なのか?
Satya yogaの始まりは、子連れで参加できるママヨガレッスンです。
ヨガやりたい!というママ友の声に背中を押されて、私自身が3才の次男を同伴して始めたママヨガレッスン。
今から8年ほど前のことです。
当時は「どれだけヨガポーズをしっかり取ってもらえるか?」をテーマにレッスンを組み立てていたように思い出します。
ですから、私が赤ちゃんを三人抱っこしながらレッスンしたりもしていました。
講師であるわたしがどこかで、「ヨガポーズをやってこそのヨガレッスン」だと考えていたのでしょうね。
もちろんヨガレッスンに来て、ヨガポーズを何もできないストレスは良くありません。
しかし子どもがいてこそのヨガ、これを「今」「ママであるあなた」が「やる」ことに大きな意味がある、それがママヨガの真髄だと今は思うのです。
例えばこのポーズ、バッダ・コーナ・アーサナ。
訳すと「縛った三角形のポーズ」となります。
手で足を握り、上から見ると体が三角形になるように上体を伏せて股関節を十分に開くことで、骨盤が緩み血流が増します。
下腹部の血流が促されると、全身がリラックスしますから女性にとってはとても味方になるポーズ。
できるだけお腹を平らにして、床に近づけましょう。
ただ、写真のようにママヨガだと子どもがママのお腹の中に入り込みたがるんです。
バッダ・コーナ・アーサナができない。
でも、そうではないのですね。
ヨガのポーズは、落ち着いて長時間座するために体をほぐすための準備です。
また、体を使って感覚を研ぎ澄ませ、その上で感覚を超越するためのもの。
子どもと触れ合うことで感じる気持ちや感覚に集中する、それがママヨガのバッダ・コーナ・アーサナです。
体自体を縛るのではなく、気持ちを子どもへと据える、そう解釈することができます。
古いヨガの教本を読むと、写真が載っているわけではありませんし、解釈はヨガの先生それぞれなんです。
これでなくてはならない、という体位があるわけではありません。
その時にあなたにとって最適な形で、あなたが気持ちを落ち着かせること、それがヨガです。
普段の生活では、子どもと完全に向き合うか、ぐずる子どもをあやしながら家事をするかの二つではないでしょうか?
ママヨガレッスンでは、ヨガポーズをすることでママ自身が自分に集中し、その状態で子どもに意識を向けていきます。
ママの体を道具にしてママの本体(魂、アートマンとも言います)が、子どもを感じる、子どもと交流する、ということ。
体が私たち自身なのではなく、体があり、感覚があり、それを感じる心があり、心を見つめる魂がある、そこを感じることができやすいのではないでしょうか。
これを、難しい言葉で言うと「五鞘理論」と言います。
人間は多層で成り立ち、体や感覚は外側の一番粗雑なものであるということ。
体を通じてあらゆることを感じ、一番の本質「魂」が進化するという考えです。
たくさんの仲間たちが一緒のグループレッスンですから、そこまで没頭するのは難しいことは承知しています。
一瞬でも「あ、私は体や感情ではないんだ、その奥に真の私があるんだ。それが子どもと交流しているんだ」と気づけたら、これって本当にヨガの真髄なのです。