クリシュナが、見栄や体裁を気にしてる?!
ヨガの聖典、バガヴァッド・ギーターを紐解く不定期連載。
私たちが日常生活でバガヴァッド・ギーターを活かすためのエッセンスをお伝えします。
今日は第二章。
「親戚や、尊敬する人と戦うくらいなら、戦いなどしない方がいい・・・!」
と悩み始めた王子アルジュナに向けて、クリシュナはこんなことを言います。
「武人であるあなたが戦わなかったら、世間が臆病者よとそしるだろう。
敵からは弱虫め、と言われるだろう。
そんな恥辱を受けるのは、死ぬより辛いことだろう」
あれ・・・?
バガヴァッド・ギーターでクリシュナは「結果にこだわるな」と説いているはず。
それなのに
「恥かくぞ」「後ろ指さされるぞ」
だから戦え
と言っています。
これはどういうことでしょうか。
師は弟子がわかるレベルで教えを説く
クリシュナがこんな言葉を使ったのは、アルジュナが理解できるレベルまで降りて説明しているということなのです。
何もわかっていない、迷いに迷っている弟子に分かりやすい、世俗的な言葉で話しているのです。
理解できないことは、教えない。
ヨガの師は、「これはまだこの者には理解できない」ということは教えません。
なぜなら、弟子が間違った解釈をして、間違った道に進んでしまうことになるからです。
アルジュナも成長してゆく
第二章はバガヴァッド・ギーターの概略です。
「第二章を完全に理解できれば、それ以降は読む必要もない」
と言われるほど重要な章。
しかし、アルジュナも我々もクリシュナの教えを理解することができません。
クリシュナの易しい例え話から、だんだんとアルジュナは成熟してゆきます。
そして、ギーターを読んでいる我々も、読み進めるごとに理解を深めてゆくのです。