太陽の礼拝=スーリヤナマスカーラ・マントラ解説
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意外と新しい太陽の礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)

ヨガをやったことのある方なら、多分一度はスーリヤナマスカーラを体験したことがあるのではないでしょうか?

この年末も多くのスタジオで「スーリヤナマスカーラ108回チャレンジ!」といった企画があったようです。

しかしスーリヤナマスカーラ=太陽の礼拝は現在重要なポーズ群だと考えられていますが、古くから行われてきたものではありません。


ハタヨーガ・プラディピカーはもちろん、現代のヨーガの礎を築いたスワミ・シヴァナンダ「Easy Steps to Yoga」もその著書で触れていません。

一部の研究によると*、1930年代に出来上がった可能性が高いと言われています。
*「The Yoga Tradition」/Georg Feuerstein

つまり、大変現代的なヨーガのアプローチなのです。

ヨーガにもスポーツによる爽快感が求められる時代にマッチした、連続ポーズ群と言えるでしょう。

紀元前から続くヨーガが廃れずに脈々と愛好されている理由は、このように時代に合わせたアレンジが可能だからですね!

たくさんのヨガレッスンで行われる連続ポーズには一つ一つ太陽に感謝する意味が込められているのです。

太陽の礼拝のやり方

それでは写真で太陽の礼拝を見ていきましょう。

ポーズにはマントラがあり、それを唱えながら太陽の礼拝を行う方法もあります。

私はマントラと一緒の太陽の礼拝を学びました。

Om Mitraya Namaha オーム ミトラヤ ナマハ=胸の前で合掌
Mitra、人間の生命の力を呼び覚まし、地球と空を支え、差別なしにすべての生命を照らす者への感謝

Om Ravaye Namaha オーム ラヴァイエ ナマハ=立位で合掌を空へと伸ばす
すべての命に祝福の光りを捧げる者、Ravayeへの感謝

Om Suryaya Namaha オーム スーリヤヤ ナマハ=立位の前屈
すべての世界を支える、崇拝される存在であるSuryaへの感謝

Om Bhanave Namaha オーム バナヴェ ナマハ=片足を後ろに引き、上体を起こし空を見上げる
無知な我々の目を開かせてくれる者、Bhanaveへの感謝

Om Khagaya Namaha オーム カガヤ ナマハ=俯向く犬のポーズ
大空を移動し、時を刻む者Khagayaへの感謝

Om Pushne Namaha オーム プシュネ ナマハ=8点のポーズ
力強く照り、滋養を与えてくれる者Pushneへの感謝

Om Hiranya Garbhaya Namaha オーム ヒラニャ ガルバヤ ナマハ=あおむく犬のポーズ
すべての種子を内包する者、Hiranya Garbhaへの感謝

Om Marichaye Namaha オーム マレチャエ ナマハ=俯向く犬のポーズ
真実と嘘を見抜く識別の力を持つ者、Marichaへの感謝

Om Adityaya Namaha オーム アデティヤヤ ナマハ=片足を後ろに引き、上体を起こし空を見上げる
宇宙の母Adityaへの感謝

OmSavitre Namaha オーム サヴィトレ ナマハ=立位の前屈
人間の活動性を刺戟する者、Savitreへの感謝

Om Arkaya Namaha オーム アルカヤ ナマハ=立位で合掌を空へ伸ばす
世界を満たしているエネルギーを発する者、Arkayaへの感謝

Om Bhaskaraya Namaha オーム バスカラヤ ナマハ=胸の前で合掌
真実を見極め、心を穏やかに保たせる境地へと導く者、Bhaskaraへの感謝

スーリヤナマスカーラの効果・影響

スーリヤナマスカーラは、スポーツ的な要素を盛り込んだ現代的なヨーガのアレンジです。

つまり、動きや流れが早く、爽快感を得られる代わりに疲れを残したり、せわしない気分になったりもする可能性があります。

良くも悪くも現代的、なのですね。

マントラを唱えるやり方は、ポーズに一つ一つ意味を込めながら行うことで「速さ」「変わりやすさ」「表面的な流れ」の要素を薄めてくれる効果があります。

自分の健康のために、自分が体を動かしている!という自我意識を低めてくれるので、我々には合っているやり方と言えそう。

ぜひマントラ付きのスーリヤナマスカーラ、覚えておいてくださいね。