きっかけは、リケジョの質問
アーユルヴェーダサロン リーラの使用するオイルは、スリランカから正規輸入したオイルです。
できうる限りを尽くし、品質の保持に努めていますし、万が一のトラブルにも対応する様になっています。
ところがお客様のお一人、バリバリの研究者であった方が
『このオイル、全成分の解析はしてないわよね』
とおっしゃったんです。
アーユルヴェーダオイルの成分解析は不可能
早速輸入元のSunfurau社に問い合わせ、現在品質管理のために行なっている検査を調べ、記事にあげました。
結果から言いますと「全成分の解析はしていません」
これだけ高度に化学が発達した現在の日本で、なぜできないの?
ニーズが少ないから?と最初私は思ったのですね。
アーユルヴェーダの薬草オイルは、化学的に作られたものではありません。
薬草にどんな成分が含まれているのか、今の科学技術をもってしても全成分を解析することは不可能です。
ましてやアーユルヴェーダ薬草オイルは、多いもので30数種類の薬草等を使用して作られます。
この一つ一つをさらに成分解析することは、不可能なのです。
と、ここまでは前回の記事を書いた時に理解していました。
ところが、その先があったんです。
解析機器を見学に、日大生命科学科へ
実際にどんな機械で化合物って、分析しているの?
ということを、見せていただきました。
日本大学生物資源科学部生命科学科
関 泰一郎教授、細野 崇助教授にご案内いただきました。
先般の記事に書いた様に、輸入に際しての含有材料全表記、Phの測定、光の屈折度測定をしているトータルアーユルヴェーダ社のオイル。
でも、本当のところはオイルに含まれる成分を分析したい。
皮膚の浸透についてもきちんと知りたいのです。
液体クロマトグラフ
液体中の物質の分離と、分離された物質の質量を測理、物質の特定をするための機械です。
核磁気共鳴装置
こちらは有機化合物の立体構造を解析する装置。
実際生きているもの(蚕など!)を機械に入れて、分析することもあるのだとか。
理論上は、アーユルヴェーダオイルも長時間をかけて、液体クロマトグラフにかけて行けばその成り立ちがわかりそうです。
けれども、数十種類の薬草から成り立つアーユルヴェーダオイルは、実に複雑な構成です。
解析することは、ほぼ無理と言えそうです。
さらに、細野崇助教授の説明で、納得しました。
『オイルを分析したとしても、それを受け止める側(人間)の個性があります。
個性によって、同じ化合物でも違った働きをするのです。
ここが、現代の科学には追いつけていないところなんです』
科学は、森羅万象のほんの一部を解き明かしたにすぎません。
これからの課題なんです、とおっしゃっていました。
だからこそ、経験の積み重ねが大切
続けて細野先生はこうもおっしゃいました。
『科学的に解明されないからといって、効果がないとうことではないんです。
効果はある、だけれども科学的な手順で解明はされていないということがたくさんあります。
それだけに、経験と実績の積み重ねが大切なんです』
本当にその通り。
アーユルヴェーダは、個々の体質や症状の鑑別がとても重要視されます。
いわゆる「ドーシャ」ヴァータ・ピッタ・カパも、個性を知るための分類。
脈々と繋がる、施術の経験の積み重ね
一人の人間を知るためのたくさんの手段
アーユルヴェーダは、細野先生が現代科学に足りないとおっしゃっていた部分をカバーしています。
伝統的な医学であるアーユルヴェーダは、高度に科学的な医療なのですね!
科学の進化で、アーユルヴェーダ薬草オイルの解析ができる日が来るかもしれません。
その日が来たにしても、経験・個人を見る目が一番大切なのはいうまでもない、と強く思います。