ヨガの指導は、時代に合わせて変化しなければならない

昔のヨガ指導は「反り腰」でした

Aさんは、かつて他のヨガスクールに通っていらっしゃいました。

そのスクールで、いつも「??」と思うことがあったそうです。

「はじめに正座をするんですが、いつも先生が

『腰をキュッと前にして』と言うんです。

それで腰痛になってしまいました」


そのヨガスクール、多分ベテラン先生の指導ですね?

私が中学時代から行っていたヨガ教室の先生の1人は

「鳩胸出っ尻、顎を引いて」

正座の時は、そんな指導をしていました。

この通り座ったら、完全に腰痛になります。

ではその指導は間違いだったのでしょうか?

間違いというより、時代にそぐわない

鳩胸出っ尻、はやはり間違いだと言わざるを得ませんが・・・

昔の体育の指導では、無縁を貼ってお尻を突き出すように「気をつけ!!」を指導されたものです。

体操競技の決めポーズのような、反り腰。

3,40年前は今ほど骨格への理解が進んでいませんでした。

ですから、そんな指導もあったのですね。

一方、「腰をキュッと」の指導については、事情は違うんだろうと想像しています。

「腰をキュッと前」は間違いではないのです。

腰は自然なS字カーブを描くのが正しい姿勢。

ですから、腰を前と言いますか、腰を前上にすっと引き上げて座るのは正解。

ただし、それを理解できるのは、相当体を体で理解している人に限られます。

ヨガ上級者でなくては、単に反り腰になってしまうだけです。

ヨガは伝統・古典を大切にしますが

「ヨガは正典の通りに行う」ことが大切です。

つまり、伝統的なやり方を守ることが大切とされています。

しかし私は、時代とともにヨガへのアプローチは変化するものだと思うのです。

昔の人は簡単にできたことが、今の人にはできなくなっていることがたくさんあります。

昔ながらのやり方をそのまま鵜呑みにすることは、無理がある。

「腰をキュッと」も、その一つだと思うのです。

ヨガは、「今」がどうであるのかをしっかり見る行。

指導も、やり方も、「今」にしっかりそぐわなければならないのです。