サットヴァ的な食物・ギー
この夏の我が家は、受験生を抱えた夏。
夫の号令がかかり、連休初日におもちゃ類を大一掃しました。
普段綺麗に掃除しているつもりでも、埃が立つんですよね。
その日から長男、次の日から次男が
目のかゆみを訴え始めました。
そして今朝は、目の充血・かゆみが酷くなっているということで
朝からアーユルヴェーダ薬を作りました。
昔から、サットヴァ(清澄)的な食べ物として、食べられているギー。
「ちびくろさんぼ」の「トラのバタ」は、実はバターではなくギーのこと。
やけどや湿疹のための軟膏にも使われる、鎮静作用のある油です。
全ての体質に良いとされるものですが
特に、炎症を引き起こす「ピッタ」性が高まっている時
つまり目のかゆみ、皮膚のかぶれなどに効きます。
ギーの作り方
(材料)
無塩バター
厚手のステンレス製小鍋
温度計
じょうご(あれば)
ペーパータオル(不織布性のもの、コーヒーフィルターなど)
瓶
(手順)
①無塩バターを、ステンレスなべで弱火にかける。バターが溶けたら、少し火を強める
②120度になったら火を消す。
あるいは
➁大きな泡が出てきたら、焦げないように注意
➂大きな泡が消え、小さな泡に変わり、ポップコーンのような香りがしてきたら火を止める。
そのあと
④消毒した瓶にフィルターをセットしたじょうごでギーをこし入れる
完成です。簡単!
冷蔵庫に保存すれば、半年はもちます。
料理にバターがわりに使用したり、
夜寝る前にホットミルクに小さじ一ほど溶かしたり、
用途はいろいろ。
ここからはご興味のある方のみご覧ください
参考図書:『科学の名著・第II期インド医学概論・チャラカ・サンヒター』矢野道雄著/朝日出版社
アーユルヴェーダの内科医学書としてもっとも広く使われている
「チャラカサンヒター」にも、ギーの効用は多く言及されています。
(第13章・油剤に関する章より)
『ギーは、ピッタとヴァータを除去し
栄養素の循環系統(ラサ)、精液、生命力の増大(オージャス)のために
有効である。
冷却力があり、体を柔軟にし、声と顔色をよくする』(第3節)
『次の人はギーを服用すべきである。
ヴァータ的体質、ピッタ的体質、ヴァータピッタ的体質
視力をよくしたいと思う人、
怪我をしている人、痩せた人
老人、子供、体力のない人
寿命を伸ばしたい人、太りたい人
子供を欲している人
若々しさを求めている人
消化力、活力、記憶力、知恵、
燃焼力、理性、感覚機能の力を求めている人
焼灼感、外傷、毒、やけどで苦しんでいる人
*目のかゆみに効く根拠』(第10節)
(第27章・飲食物の規定に関する章より)
『ギーは記憶力、知力・消化力・精力
活力(オージャス)・カパ・脂肪を増大させ
ヴァータ・ピッタ・毒物・錯乱・疲労・不幸
発熱を除去し
全ての油脂類の中でももっとも優れ
ラサの状態(舌で味わう味)でも
ヴィーパカの状態(消化過程での味)でも
冷却性と甘みをもち、
無数のヴィールヤ(飲食物・薬の薬効性)をもち、
多くの用い方によって(処方すると)無数の効果を与える』
(9節より)
アーユルヴェーダに於いて、いかに重用されてきたか
わかるほどの言及です。
そして、私たちもその効果を簡単に享受できるのが
とっても嬉しいことです!